客观日本

日本Twitter微小说大赏获奖作品

2014年09月12日 日语学习、日语考试

1. 妻がおにぎりを作ってくれた。「何が入ってるの?」「私の気持ちよ」ドキリとした。既に妻との仲は冷えきっていたからだ。これから妻との関係を修復しようと考えていた矢先。中身が空だったらどうしよう。だが、中身は大好物の鮭だった。俺は嬉しくて妻に礼を言おうとしたが、舌が痺れて言えなかった。

 

妻子给我做了饭团。“里面放了什么?”“我的感情哦。”我的心猛然一跳,因为夫妻之情早已淡薄如水。正想着如何修复两人的关系,可转念一想,万一里面是空的……还好,饭团里是我最爱吃的鲑鱼。 我开心得很,正想跟妻子说声谢谢,舌头却麻痹了,什么也没说出口。

 

 

2. 俺は美容整形医。今、少女に告白されている。「好きです。先生好みの顔にして下さい」こんな要望は初めてだ。数時間後、麻酔から覚めた少女は言った。「先生、私の顔どこも変わってません」「そうさ。俺も前から君が好きだったんだ」俺たちは抱き合った。と、少女が呟いた。「…私の胸大きくなってる」

 

我是整形医生。现在,女孩正向我告白。“我喜欢你,把我的脸整形成你喜欢的样子吧。”这样的要求还是头一回听到。数小时后麻醉渐渐消除,她醒了,说:“我的脸怎么什么都没变?”我回答:“没错。我从以前就喜欢你了。”我们拥抱在了一起。“啊”,她自言自语,“我的胸部变大了”。

 

 

3. 町の小さな郵便局に今週も彼女は現れた。局員たちに水曜日さんと呼ばれる彼女が今日差し出した手紙にはしかし宛名がない。「これじゃ届きませんよ」苦笑しながら顔を上げた彼の目に映ったのは、うつむき加減できゅっと口元を引き結び、真っ直ぐに彼を見つめる真摯な瞳だった。

 

她每周三都会来这所镇上的小邮局。邮局的人管她叫星期三小姐。今天她又如约而至……“对不起,这样写无法投递的”,拿着没有写对方姓名的信封,邮局的小伙子苦笑着抬头看了看她。 只见她微微低着头、抿着嘴,双眸闪烁着热切的目光,紧紧地注视着他。

 

 

4. さすがに10年も同じ机で仕事していると私物も仕事の物も一緒くた。さて、荷物をまとめるか。うわっ、これフロッピーだよ。大事なデーターかな?出ないボールペンは何本も出てくるし。このお菓子、賞味期限が20世紀だよ。これなんだ?婚姻届?そうだ、結婚しようと思ってたんだ!

 

10年都在同一张桌子上办公,这私人物品都跟工作物品混一块儿了。来整理一下吧。

啊,这不是软磁盘嘛,该不会是什么重要的资料吧。还有好几支不出水的笔。这、这糖果保质期是上个世纪咧! 哎,这是……结婚证书?我,原来想要结婚的啊……

 

 

5, 寝たまま死を待つ男は妻に頼む。お前の好きなアロマとやらをやりたい。妻は少し喜び、道具を用意し毎日オイルを補充した。だが、男はそれを焚くことはなかった。男は深夜1人それを飲み続けた。味覚などとうにない。翌年、男は死んだ。火葬場を包んだ香りは、妻以外の参列者も癒した。

 

男人在床上等死,他跟妻子说,想点支她喜欢的芳香精油。妻子略喜,准备好了道具,每天补充精油。 但是,男人并没有用来点燃,而是每天深夜独自一人偷偷喝掉了。他早已没有了味觉。第二年,男人死了。 一阵浓香包围了火葬场,也抚慰着追悼会上除妻子外的人。